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OS誕生からLinuxまでの歴史

4 バイト追加, 2007年11月27日 (火) 03:34
/* OS誕生 */
OSの歴史は、コンピュータが産まれてから20年ほど経った1960年代中期からスタートします。1960年中期にIBMが開発した商用コンピュータ・システム IBM System/360は、本格的なOS (OS/360)を搭載していました。それ以前のコンピュータ・システムは、部分的にはOSとしての機能を満たしたものがありますが、OS として機能及び概念が確立はしていません。IBM System/360が始めてOSの機能と概念を確立させました。
 
:60年代のアメリカは公民権運動、ベトナム反戦運動、ウッドストックなどを後世に残すと同時にOSも後世に残したのでした。
 
それまでのIBMのコンピュータは、そのハードウェアの製品ライン毎にソフトウェアが必要で、各々の製品ラインの違うコンピュータ・システムには、ソフトウェアの互換性がありませんでした。
 
これは、私たちが現在、アプリケーション・プログラムと呼んでいるような、ある特定目的のために動作するソフトウェアが、OSというクッションを持たず、システム全体のソフトウェアと密接に絡み合っていたからです。つまり、アプリケーションがリソースを管理しなければならなかったのです。
 
例えば、事務には事務専用システムおよびソフトウェアを、科学計算には科学技術専用システムおよびソフトウェアを用意していました。また、同じ専用システムでも最大メモリやプロセッサのスピード、IOデバイスの数などのシステムの構成が違えば、それだけでソフトウェアの互換性は保てませんでした。
 
OSを導入することによってリソース管理をアプリケーションから切り離します。以前のシステム構成に特化したソフトウェアしか動かないコンピュータ・システムの世界から今度は色々なソフトウェアを動かすことができる、汎用なコンピュータ・システム世界に変化していきます。
 
その後System 360は、370、4300、3080、3090といったIBMシリーズに続き継がれます。それらのシステムは『汎用機』と呼ばれるコンピュータ・システムの代表です。
 
=== MULTICSも忘れちゃいけない ===
 
同世代で、忘れてはいけないのがタイムシアリング・システムと呼ばれる処理方法を用いたCTSSと、それに引き続く今日のOSの原型でともいえるMULTICS です。CTSSは1963年にMITで使われていた原始的なOSでIBM System / 360よりも古いIBM 7094というシステム上で実現されています。
 
タイムシアリング・システムとは、複数のユーザが実行している各々のプログラムの処理をある一定時間毎(あるいは入出力が発生しI/O待ちになった場合)に切替えて、各々のユーザがあたかも同時に1つのコンピュータを使っているかのように見せかせるシステムです。
CTSSのプログラムの切替えは非常に単純です。ユーザの動かしているプログラムをまるごと主記憶装置から補助記憶装置に追い出し、次に動かすプログラムをロードしてくるというものでした(注1)。複数のプログラムを切替える能力はありましたが、リソース管理という点では、OSと呼ぶには十分ではありません。
:(注1) これは、まだマルチプログラミングまで進化していません。混 同しやすいので要注意のこと。 CTSSのプログラムの切替えは非常に単純です。ユーザの動かしているプログラムをまるごと主記憶装置から補助記憶装置に追い出し、次に動かすプログラムをロードしてくるというものでした<ref>これは、まだマルチプログラミングまで進化していません。混同しやすいので要注意のこと。 </ref>。複数のプログラムを切替える能力はありましたが、リソース管理という点では、OSと呼ぶには十分ではありません。
CTSSがうまくいったので1965年にMITとAT&Tベル研究所とジェネラル・エレクトリック社(注2)が、共同で、現在のOSと比較しても見劣りしないような数々のスペックを持った、多目的なOSを作ろうとしました。それがMULTICSです。現在、私たちがOSの機能と呼んでいる数々の機能はMULTICSで現れたものです。
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