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OS誕生からLinuxまでの歴史

8 バイト追加, 2014年7月5日 (土) 09:31
/* LinuxはUNIXではない */
2とか4程度のプロセッサ数ならモノリシックカーネルでも使えるでしょうが、このようなプロセッサ数が多いマルチプロセッサマシンでは上手に動けません(このような劇的なパフォーマンスが出る実装はまだ存在していません)。
 
 
 
== LinuxはUNIXではない ==
 
こう書くと混乱する人がいるかも知れません。まずLinuxはUNIXではありません。BSDにしても、他の多くのUNIXベンダのOSにしても、前身となるUNIXシステムがあるものがほとんどです。その前身をたどっていくと、最後はベル研の UNIXにたどり着きます。Linuxは、その流れから完全に独立しています。現在のLinuxの原点は、今や伝説ともなったLinus Torvaldsというフィンランドの1 大学生が386CPUベースのPC上で勉強のために作り始めたものです。それ以前をひきついでいません。LinuxはLinuxから出発しているのです。つまり元祖なのです。これは、かなりユニークなポジションにいます。たとえばThe Design and Implementation of the 4.4BSD Operating SystemのHistory of the UNIX Systemの章にあるUNIXの家系図を見ると、前身がないOSはPlan9とLinuxしかありません。 家系図の解釈にはいろいろな流儀があり、たとえばPlan9がUNIX V8から分岐したとか、Linuxがminixから分岐したと表現しているものがあります。しかし、影響を受けたというならまたしも、これらのあいだではソースコードの流用はありません。
=== LinuxはUNIX互換ではない ===
 
LinuxはUNIX互換として作られたわけではなくPOSIX 1003.1仕様のOSです。 POSIX 1003.1とはポータブルOSの互換性を保つための規格です。POSIX 1003.1 はUNIXを参考にして作られていますがUNIXの規格ではありません。よって POSIX 1003.1準拠のOSであるLinuxはUNIX互換ではないということです。
=== LinuxはLinuxではない ===
 
システムはカーネルだけあっても、何もサービスはできません。サービスを行うためのソフトウェア環境が揃って始めてシステムとなります。その取り巻く環境をミドルウェアと呼ぶ場合もありますが、ここではもっと広い意味でユーザにサービスを提供する総体としてシステムと呼びます。Linuxはカーネルです。そのカーネル上でサービスを提供するための数々のソフトウエアはフリーソフトウェアであるGNUが使われています。よってシステムとして呼ぶ場合は GNU/Linuxと呼ぶのが正しい呼び方です。
=== Linuxは新しいOSなのか ===
 
誕生した時期は「新しい」と言えますが、その中身の構造は非常に「古典的」です。それはTanenbaumがLinuxを切捨てた通りです。ではLinuxの目標は何なのでしょうか?それは「POSIX準拠した本格的な機能を持ったフリーのOSを作ること」だと言えます。技術的野心に燃えて新しいことをするのではなく、自分達が自由に使えるOSを作るということが明確だったのです。
=== なぜLinuxがこれだけ広まったか ===
 
Linuxが現れた頃、既に同様にフリーである386BSDがありました。しかしLinux の開発の方が一歩リードしていたようです。FSFの機関誌であったGNUダイジェストのバックログをおってみるとよくわかります。386BSDとLinuxがGNUダイジェスト(GNU's Bulletin)に紹介されるのは、1992年6月発行の13号です。<ref> GNU's Bulletinは次のURLから入手できます。ftp://ftp.sra.co.jp/pub/gnu/sra/Bull-j/ アクセス出来ない場合はコピー版を参照ください。 http://uc2.h2np.net/misc/bull13j.txt</ref>