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2,541 バイト追加, 2014年11月15日 (土) 09:10
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== コピーオンライトとその実際 ==
 
Linuxのカーネルではプロセスが親から引き継がれたメモリ領域や実行コードなどを引き継いでいても、そこに書き換えが発生するまで、実際のメモリ領域はとりません。書き込みがあって始めてメモリ領域を確保し、中身をコピーして別なものにします。このことをコピーオンライト(CoW: Copy on Write)といいます。
 
/proc/(プロセスid)/smapsは、カーネル内の該当プロセスのメモリ利用状況を表示するAPIです。それを使って実験したいと思います。
dashはDebian版軽量シェルでシステムのシェルスクリプトを実行するのに使われます。
さて、$$はシェル自身のプロセスidですので、/proc/$$/smapsとすると現在使っているシェルのメモリ利用状況がわかります。
注目するのは Shared_Clean と Private_Clean の値です。
Shared_Clean はシェアしているメモリです。
Private_Clean は自らのメモリです。
クリーンな、という意味は、まだそのページは変更されていない(書き込みがおこっていない)という意味です。
まず最初、dashを起動してdashシェル環境でメモリ利用状況をみます。
この時、引き継ぐものがないのでPrivate_Cleanが76kB (= Rssの値と同じ)、Shared_Cleanが0kBとなっています。
次にdashの中でさらにdashを起動します。つまり最初のdashが親プロセスとなった新しいdashです。
この上で両方の値をみるとPrivate_Cleanが0kB、Shared_Cleanが76kB(= Rssの値と同じ)となっています。
つまり、子プロセス側となったdashのメモリは、この時点ではシェアしているものを使っていることがわかります。
 
$ dash
$ cat /proc/$$/smaps | head -9
08048000-08060000 r-xp 00000000 08:01 4825 /bin/dash
Size: 96 kB
Rss: 76 kB
Pss: 76 kB
Shared_Clean: 0 kB
Shared_Dirty: 0 kB
Private_Clean: 76 kB
Private_Dirty: 0 kB
Referenced: 76 kB
$ dash
$ cat /proc/$$/smaps | head -9
08048000-08060000 r-xp 00000000 08:01 4825 /bin/dash
Size: 96 kB
Rss: 76 kB
Pss: 34 kB
Shared_Clean: 76 kB
Shared_Dirty: 0 kB
Private_Clean: 0 kB
Private_Dirty: 0 kB
Referenced: 76 kB
 
 
 
== mmap ==