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(実際にGNU/Linuxを使ってみよう)
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第2番目の方法は[https://www.virtualbox.org/ VirtualBox]のような仮想マシンのソフトウェアをインストール<ref>こちらのサイトを参考にしてください。 http://www.oracle.com/technetwork/jp/server-storage/virtualbox/overview/index.html</ref>し、そのバーチャルマシン環境上でインストールすることです。十分なメモリ、ハーディディスク容量、高速なCPUなどのハードウェアの資源の制約等がない場合、こちらの方が使い勝手が良いでしょう。
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第2番目の方法は[https://www.virtualbox.org/ VirtualBox]のような仮想マシンのソフトウェアをインストール<ref>Windows、OS X、Linux、Solarisで動きます。こちらのサイトを参考にしてください。 http://www.oracle.com/technetwork/jp/server-storage/virtualbox/overview/index.html</ref>し、そのバーチャルマシン環境上でインストールすることです。十分なメモリ、ハーディディスク容量、高速なCPUなどのハードウェアの資源の制約等がない場合、こちらの方が使い勝手が良いでしょう。
  
  

2015年7月26日 (日) 10:09時点における版

実際にGNU/Linuxを使ってみよう

ここではGNU/Linux[1]を用意し、実際に簡単な操作を行って正しく動いているかを確認までを行います。いずれにしろ何かのGNU/Linuxのディストリビューションを手元に用意して自分で触ってみない限りは実感が持てないので、まずは手を動かしてください。ここでは2つの方法を考えてみたいと思います。


第1番目の方法はLive CDを使うというものです。Live CDにはGNU/Linux(のディストリビューション)が入っており、このCD-ROMを使って起動する(ハードディスクにはインストールしない)すると利用できるようになります。起動時にしろ、コマンドを起動する時にしろ、一度はCD-ROMからファイルを読み込むので、ハードディスクから読み込むよりは遅いですが、簡便さという点では優れているでしょう。


第2番目の方法はVirtualBoxのような仮想マシンのソフトウェアをインストール[2]し、そのバーチャルマシン環境上でインストールすることです。十分なメモリ、ハーディディスク容量、高速なCPUなどのハードウェアの資源の制約等がない場合、こちらの方が使い勝手が良いでしょう。


ここではGNU/Linuxを本格的にインストールするというよりも、まずはLinuxを手元のPCハードウェアで動かすことを目標としています。Linuxを動かし、オペレーティングシステムとしてどのような構造になっているかを学習するには、まず、このレベルから始めていきましょう。

GNU/Linuxディストリビューション

狭義のオペレーティングシステムとはカーネルですが、広義のオペレーティングシステムは、カーネルと関連するシステムソフトウェア、および必要なコマンド群から出来ています。


GNU/Linuxの場合、単なるLinuxと呼ぶ場合カーネルを指します。広義のオペレーティングシステムは、ディストリビューション(直訳すると配布)というパッケージ化された形で存在しています。同じカーネルでも、それ以外のソフトウェアの組み合わせを変えるだけで、色々なバリエーションが出来るという良い例です。広義のシステムとして指す場合はGNU/Linuxと呼ぶと狭義の意味のLinuxと区別できて良いといえるでしょう。


補足
本テキスト中では厳密にカーネルのLinuxとシステムのGNU/Linuxを呼びわけているわけではありませんが、特にシステム全体を意識したいときはGNU/Linuxと書いています。


世の中にディストリビューションがどれだけ存在しているか、わかりませんが、一般に認知されているディストリビューションは、Linux.org サイトのディストリビューションの検索ページ[3] (ここ) から検索することが可能です。


Red Hat Fedora Mint CentOS
Debian GentooLinux openSUSE Mageia
Arch Linux Ubuntu KNOPPIX Vine

日本が使えてメジャーなディストリビューションということで思い浮かぶのは、次のようなものです。同じディストリビューションでも、商用パッケージ販売版、自由にコピーして良いコミュニティ版など色々なバリエーションを含んでいます。 それぞれ特徴がありますし、使い勝手の良さは甲乙つけがたいですが、筆者は普段は Debian GNU/Linuxubuntu を使っています。これらはGPLのライセンスの下で世界中のDebianデベロッパーが協力して作っているディストリビューションです。Debian GNU/Linuxという意味は、 「Debian はGNUソフトウェア群とLinuxカーネルから成り立っている」 [4] ということを示しています。 安定し、セキュリティのアップグレードも素早い対応で安心して使えるのでサーバなどに向きます。一方で安定指向な副作用としてカーネルなどのアップグレードは非常に遅いという面があります。新しいハードウェア対応などの問題等で新しいカーネルが必要な場合は、個々のサイトでカーネルをコンパイルし、独自にカーネルの入れ換えをするなどをしています。またDebianベースのディストリビューションも数多くあり、たとえばubuntuは非常に人気のあるディストリビューションですが、これはDebianから派生したディストリビューション1つです。


捕捉
RedHatとFedora Coreはルーツは同じですがRed Hat(Red Hat Enterprise Linux)は企業サーバ向けディストリビューション、ディスクトップ向けFedora Core はディスクトップ向けになっています。

LiveCD

これも色々なディストリビューションがあります。先程Linux.orgで調べて数えたら90種類以上[5]ありました。「KNOPPIXを使ってみよう」のページではFREEDUCとKNOPPIXの2つを紹介しています。

Ubuntu

Ubuntuとは

Ubuntu(ウブンツ・ウブントゥ)は数あるGNU/Linuxディストリビューションの中でも特にデスクトップ環境ではトップのシェア [6] を持つディストリビューションです。名前の由来は南アフリカ共和国のズールー族の使うズールー語で、意味は慈愛・人情といった意味を持つのだそうです。

Ubuntu の次のような理念を掲げて [7] 活動しています。

  1. Every computer user should have the freedom to download, run, copy, distribute, study, share, change and improve their software for any purpose, without paying licensing fees. (すべてのコンピュータユーザは、そのソフトウェアをいかなる理由においても、ライセンス料を払うことなく、ダウンロード、実行、コピー、配布、学習、共有、販売、そして改良する自由を持つべきである)
  2. Every computer user should be able to use their software in the language of their choice.(すべてのコンピュータユーザは彼らの選択する言語のソフトウェアの利用が可能になるべきである)
  3. Every computer user should be given every opportunity to use software, even if they work under a disability.(すべてのコンピュータユーザはあらゆるソフトウェアを利用する機会を与えられるべきであり、たとえ身体障害を持つコンピュータユーザであっても同様である。)

そしてUbuntuの掲げる自由とはFree Software Foundationの掲げるフリーソフトウェアで示している自由と同じであるともUbuntu Philosophy のページでは説明しています。

ubuntuはDebian GNU/Linuxが分岐したディストリビューションで、その最初のリリースは2004年と若い部類に入ります。もともとDebianは数あるディストリビューションの中でも有力なディストリビューションの1です。Debian をベースにしたディストリビューションなので初めからDebianと同様に安定していました。

ubuntuの特徴は、充実したデスクトップまわりの環境です。機能的な面だけではなく、見た目のデザインも商用システムに引けを取らないレベルに引き上げました。用意されているソフトウェア。またその使い勝手は、既存の商用デスクトップ環境とまったく遜色がありません。そのあたりが急速にデスクトップユーザが伸びた要因でしょう。また、開発のライフサイクルが比較的明確であることも、ユーザにとって導入しやすい要因になったと考えてもいいでしょう。DELLではUbuntu GNU/Linuxのプレインストール版を販売しています。

いろいろなUbuntu

ubuntuは、ただ1つのUbuntuのセットを用意しているわけではありません。デスクトップ向けの構成、サーバ向けの構成、デフォルトのデスクトップ環境はGnomeですが、それをKDEにした[www.kubuntu.org Kubuntu]、あるいは簡便なxfceを採用しているxubuntu(ズブントゥと読む)などがありますし、また、教育用ソフトウェアを中心に構成したedubuntu、またビデオや音楽などビジュアルやサウンドを扱うソフトウェアを中心に構成した ubuntu studioなどもあります。

Ubuntu インストール

インストールに関してはubuntuインストールのページか、下に示すページを参照してください。

コマンドを入力してみる

manを使いこなそう

UNIXで最も大切なコマンドはmanであるといっても過言ではありません。manにはじまりmanに終る。それがUNIX的なスタイルといえるでしょう。 manコマンド自身もオンラインマニュアルを用意しています。ターミナル環境でコマンド man オプション man を入力してください。


 $ man man
 man(1)                  Manual pager utils                 man(1)
 名前
       man - オンラインリファレンスマニュアルのインターフェース
 書式
       man  [-c|-w|-tZT  device]  [-adhu7V] [-m system[,...]] [-L
       locale] [-p string] [-M path] [-P pager] [-r  prompt]  [-S
       list] [-e extension] [[section] page ...] ...
       man  -l  [-7]  [-tZT  device]  [-p  string] [-P pager] [-r
       prompt] file ...
       man -k [apropos options] regexp ...
       man -f [whatis options] page ...
 説明
       man はシステムのマニュアルページャーである。 man に与え ら
       れる引き数 page は、通常はプログラムやユーティリティ、関数
       などの名前である。これらの引き数それぞれに対応する マニ ュ
       ア ル ペ ージが検索・表示される。 section が指定されると、
       man はマニュアルを検索する対象をそのセクションに限定する。
       デフォルトの動作では、すべてのセクションを既定の順序で検索
       し、最初に見つかった page だけを表示する。複数のセクション
       に同名の page がある場合でも、表示されるのは最初の一つだけ
       となる。
       ....... 



manを使いこなすにはmanのmanを読む必要があります。まずは、"man man"として、じっくり読んで下さい。UNIXではコマンドの使い方を覚えるのではなく、コマンドのマニュアルを読むことがUNIXの基本です。印刷したものが欲しければ"man -T" の出力をPostscriptプリンタに送れることにより紙に出力できます。ただし紙資源を大量に消費するので、その点は考慮した上で出力して下さい。


調べてみよう KNOPPIX はコマンドレベルのインタフェースを意識することなく利用できます。せっかくなので、どんなKNOPPIXにはどんなツールが入っているのか調べてみましょう。

脚注

  1. GNU/Linuxのニュースサイト http://lwn.net/
  2. Windows、OS X、Linux、Solarisで動きます。こちらのサイトを参考にしてください。 http://www.oracle.com/technetwork/jp/server-storage/virtualbox/overview/index.html
  3. The DistroWatch Page http://distrowatch.com/dwres.php?resource=popularity
  4. DebianにはカーネルがLinuxだけではなく他のカーネルを使っているものもあります。たとえば Debian GNU/kFreeBSD はFreeBSDカーネルを使ったDebianのディストリビューションです。
  5. 2006年当時
  6. DesktopLinux.com 2007 Desktop Linux Market survey
  7. Ubuntu のサイトにあるUbuntu Philosophy のページ



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