差分
/* ディレクトリにsetgidビットを設定する */
== ユーザと権限 ==
オペレーティングシステム内部ではユーザの違いをアカウント名ではなく
ユーザID(UID / User IDentifier)による数値で認識しています。
またユーザは1つデフォルトのグループID(GID / GroupIDentifier)がつけられています。
そのユーザIDやグループIDが条件に合致するかどうかでユーザに権限があるかどうかを判断しています。
;補足: ユーザやグループの追加、更新などオペレーションに関しては[[ユーザやグループの管理]]を参照してください。
スーパーユーザーと呼ばれ、
UNIXにおいてはオールマイティーな権限を持つ特別なユーザです。
UNIXの基本的な権限は、このユーザIDの違いによるユーザ権限と、グループIDの違いによるグループ権限の2つから成り立っています。
* アクセス権限 : 読み込み / 書き込み / 実行
* ユーザに対して ユーザ・所有者(User)に対して : 許可 / 不許可* グループに対して グループ(Group)に対して : 許可 / 不許可* それ以外に対して それ以外(Other)対して : 許可 / 不許可
<pre class="bash">
$ ls -l memo.txt
-rw-r--r-- 1 hironobu hironobu 44 Sep 20 19:17 memo.txt
$ ls -l /var/mail/hironobu
-rw-rw---- 1 hironobu mail 0 Dec 9 19:39 hironobu
</pre>
memo.txtはユーザIDがhironobu、グループIDがhironobuになっており、所有者txtはユーザIDがhironobu、グループIDがhironobuになっており、ユーザ(所有者)は読み書き、同じグループには読み込み、その他の権限でも読み込みができます。は読み書き、同じグループには読み込み、その他の権限でも読み込みができます。正確には、所有者と同じユーザIDを持ったプロセス、設定されたグループと同じグループに属するユーザIDを持つプロセス、それ以外のユーザIDを持つプロセスとなります。正確には、ユーザと同じユーザIDを持ったプロセス、設定されたグループと同じグループに属するユーザIDを持つプロセス、それ以外のユーザIDを持つプロセスがアクセス可能であるという表現になります。
/var/mail/hironobuというファイルのユーザIDはhironobuになっており、グルーhironobuというファイルのユーザIDはhironobuになっており、グループIDはmailです。mailのグループ権限を持つプロセスから読み書き可能になっています。具体的には、メールサーバなどのプロセスが読み書きできるようになっています。プIDはmailです。mailのグループ権限を持つプロセスから読み書き可能になっています。具体的には、メールサーバなどのプロセスが読み書きできるようになっています。変更はコマンドchmodを使います。chmodのオプションではユーザ(所有者)はu、グループはg、それ以外の利用者はoという表現を使います。パーミッションの許可は"+"、パーミッションの不許可は"-"を使います。chmodのオプションで"go-rw"はグループとその他ユーザからの読み書きは不許可となります。 <pre class="bash"> $ chmod go-rw memo.txt $ ls -l memo.txt -rw------- 1 hironobu hironobu 44 Sep 20 19:17 memo.txt</pre> ユーザ(所有者)、グループ、その他ユーザの読み取り許可・不許可、書き込み許可・不許可、実行の許可・不許可は3ビットで表すので、この部分を8進数で表現することもできます。その場合"rw-------"はビットの設定がuが110、gが000、oが000となるので、8進数表現をするモードでは600となります。 <pre class="bash"> $ chmod 600 memo.txt $ ls -l memo.txt -rw------- 1 hironobu hironobu 44 Sep 20 19:17 memo.txt</pre>
== グループID利用の方法 ==
<pre class="bash">
$ ls -l
合計 56
-rw-r--r-- 1 taro taro 51200 2005-11-23 18:33 group_share.dat
</pre>
<pre class="bash">
$ chmod o-wr group_share.dat
$ chmod g+wr group_share.dat
</pre>
あるいは
<pre class="bash">
$ chmod 660 group_share.dat
</pre>
結果は次のようになります。
<pre class="bash">
$ ls -l
合計 56
-rw-rw---- 1 taro taro 51200 2005-11-23 18:33 group_share.dat
</pre>
<pre class="bash">
# groupadd taro-hanako
# gpasswd -a taro taro-hanako
# gpasswd -a hanako taro-hanako
</pre>
<pre class="bash">
$ chgrp taro-hanako group_share.dat
...
-rw-rw---- 1 taro taro-hanako 51200 2005-11-23 18:33 group_share.dat
</pre>
;考えてみよう: apacheはユーザwww-dataの権限で動作しています。cgi-binなどでコマンドを動かしファイルinfo.datに情報を書き込む必要があります。しかし、info.dataの中身に関してはセキュリティ上の問題のためユーザfoo以外には読ませたくありません(www-dataにも許可しません)。さて、この場合、info.datの適切なファイルの所有者、適切なパーミッションはどのようなものでしょうか。
まずログインした時に、そのアカウント名に割り振られたユーザIDとグループIDの権限でログインシェルが動き始めます。
<pre class="bash">
$ ps aux
USER PID %CPU %MEM VSZ RSS TTY STAT START TIME COMMAND
hironobu 2796 0.0 1.0 8752 6716 ? R 12:14 0:05 emacs20 -geometry
...
</pre>
=== 現在の権限管理 ===
古典的なUNIXはUIDとGIDだけで説明は済みますが、Linuxも含めBSD 4.3以降では、もっと複雑な設定ができます。
<pre class="bash"> $ ls -l `find /bin -perm +a+s -print`exec ls -l {} \; -rwsr-xr-x 1 root root 35464 Nov 26252 Mar 3 04:56 2012 /bin/loginfusermount -rwsr-xr-x 1 root root 72488 Dec 24 88760 Mar 30 2002 2012 /bin/mount -rwsr-xr-x 1 root root 15244 34740 Nov 19 2001 8 2011 /bin/ping -rwsr-xr-x 1 root root 23112 39116 Nov 3 04:56 8 2011 /bin/ping6 -rwsr-xr-x 1 root root 31116 Sep 13 2012 /bin/su -rwsr-xr-x 1 root root 36904 Dec 24 67720 Mar 30 2002 2012 /bin/umount</pre>
一般ユーザでも何でもできる権限を手に入れてしまうということで、
このようなプログラムに誤りがあると大きなセキュリティ上の問題になります。
=== setgid ===
setgidは、set group id bitの意味です。そのファイルのグループIDと同じ権限で実行できます。
<pre class="bash"> $ ls -l `find /usr/bin -perm +g+s -print`exec ls -l {} \;</pre> ....
ruidがrootの時、つまりrootがファイルを実行した時は何でもできるので、euidをプロセス内で制限なく変更できます。
アプリケーションの設計が正しくなかったり、実装で間違えていると、セキュリティ侵害が発生することはいうまでもありません。
== ディレクトリへの特殊な設定 ==
=== ディレクトリにsetgidビットを設定する ===
<pre class="bash">
$ ls -l
合計 4
drwxrwx--- 2 hironobu hironobu 4096 12月 14 02:35 foo
$ sudo touch foo/fileA
$ ls -al foo
合計 8
drwxrwx--- 2 hironobu hironobu 4096 12月 14 02:36 .
drwxrwx--- 3 hironobu hironobu 4096 12月 14 02:35 ..
-rw-r----- 1 root root 0 12月 14 02:36 fileA
</pre>
ユーザ(user)が読み書きできるディレクトリにStickyビットを設定した場合、そのディレクトリにどのユーザでもファイルを作成することができますが、ディレクトリから削除する場合、そのファイルの所有者(owner)しか削除できません。
<pre class="bash">
$ mkdir temp
$ ls -dl temp
drwxr----- 2 hironobu hironobu 4096 12月 14 03:12 temp
$ chmod go+rwxt temp
$ ls -dl temp
drwxrwxrwt 2 hironobu hironobu 4096 12月 14 03:12 temp
</pre>
UNIXでは自分以外のユーザにアクセスを許可する場合は、グループに許可するか、それともすべてのユーザに許可するかの大まかな条件でアクセス制御をしています。一方、ACLではアクセス許可を特定のユーザの単位で、あるいはグループ単位で設定できます。ACLの導入により、これまでのUNIXのアクセス制御よりも現敵的な設定をすることが可能になります。
<pre class="bash">
$touch foo.txt
$ ls -l foo.txt
-rw-rw-r-- 1 hironobu hironobu 0 Aug 31 08:15 foo.txt
</pre>
コマンドgetfaclを使ってパーミッションを表示すると次のようになります。
<pre class="bash">
$ getfacl foo.txt
# file: foo.txt
# owner: hironobu
# group: hironobu
user::rw-
group::rw-
other::r--
</pre>
次に自分以外のユーザが読み書きできないようにしてみます。
<pre class="bash">
$ chmod go-rw foo.txt
$ ls -l foo.txt
-rw------- 1 hironobu hironobu 0 Aug 31 08:15 foo.txt
</pre>
この状態でwww-dataユーザのみにfoo.txtの読み込みを許諾するとなると、グループを使う方法だとwww-dataとhironobuだけのグループを作り、そのグループを設定し、グループの読み込みを許可する、といったことをしなければなりません。このWebサーバがアクセスしなければならないファイルの所有者がhironobuのユーザしか存在していないのならば、グループで運用するのも問題ありません。しかし、もし、hironobu以外にmasamiというユーザがいたならば、双方別々のグループを作りwww-dataを加えるといった方法が必要になります。もちろんこの方法はユーザが増えるたびにグループも増えます。
そこでACLの登場です。www-dataのアカウントのみを直接指定してアクセスを許すといった個別の対応ができれば、これまでのUNIXのアクセス権限の手法よりもシンプルに扱うことが出来るようになります。
=== ACLの設定 ===
コマンドsetfaclはaclをセットするためのものです。ユーザwww-dataに"r"だけ許可をしてみます。
<pre class="bash">
$ setfacl -m user:www-data:r foo.txt
</pre>
ではコマンドgetfaclを使って、どう変化したか見てみましょう。
<pre class="bash">
$ getfacl foo.txt
# file: foo.txt
# owner: hironobu
# group: hironobu
user::rw-
user:www-data:r--
group::---
mask::r--
other::---
</pre>
先ほどの内容から2点変わっているのがわかるはずです。まず1点はuserの表示が増えたこと、そしてmaskという新しい項目ができたことです。maskは所有するユーザ以外に与えることのできる最大限の権限です。この場合はmaskに対して指定していないのでデフォルトの"r"が設定されています。
ここではwww-dataのみですが、複数のユーザに対しても同様に個別の設定をすることができます。
ここではユーザのみに関して説明していますが、グループに対しても複数のグループを割り当てたりすることが可能です。
さらに詳しく知るためには
openSUSE
<ref>
openSUSE 第15章 Linuxのアクセス制御リスト
https://www.suse.com/ja-jp/documentation/sles10/book_sle_reference/data/cha.acls.html</ref>
やRadHat
<ref>
Storage Administration Guide
第19章 アクセス制御リスト
https://access.redhat.com/site/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Storage_Administration_Guide/ch-acls.html
</ref>
やTurbolinux
<ref>
Turbolinux 11 Server: ユーザーガイド 第 40章Posix ACL(Access Control List)
http://www.turbolinux.co.jp/products/server/11s/user_guide/c15067.html
</ref>
などのACLに関する運用ドキュメントが参考になります。
さて、この状態でls -lでファイルのパーミッションの状況をみてみましょう。
<pre class="bash">
% ls -l foo.txt
-rw-r-----+ 1 hironobu hironobu 0 Aug 31 08:15 foo.txt
</pre>
最後に"+"と表示されているのは、ACLが設定されているということを意味しています。
== 脚注 ==
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