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デバイススペシャルファイル

1,449 バイト追加, 2018年10月24日 (水) 14:00
スケジュリングをスケジューリングに修正
=== I/O の抽象化 ===
Unix で使われた秀逸なアイデアを3つ上げろといわれたら、多分、多くの人が、階層化ファイルシステム、パイプ、そしてデバイススペシャルファイル(単にスペシャルファイルとも呼ぶ)をあげるでしょう。今回はその中の2つに関係しています。で使われた秀逸なアイデアを3つ上げろといわれたら、多分、多くの人が、階層化ファイルシステム、パイプ、そしてデバイススペシャルファイル(Device Special File : 単にスペシャルファイルとも呼ぶ)<ref> wikipediaではデバイス・ファイルの項目に「デバイスファイルまたはスペシャルファイルとは」と書いていますが、UNIXの世界では次のように「デバイススペシャルファイル」という表現をしています。[https://www.usenix.org/legacy/event/bsdcon02/full_papers/kamp/kamp_html/ Before we continue, we need to fully understand the "device special file" in UNIX.]本稿もそれに従います。</ref>をあげるでしょう。今回はその中の2つに関係しています。
デバイスを抽象化するこのアイデアによって、 I/O のデバイスもすべてファイルと同じ統一したインタフェースで扱えるようになりました。
例えばハードディスクや端末といったものに対して、プロセスから直接ハードウェアにアクセスする必要はありません。
たとえばLinuxでは /dev/sda は SCSI ハードディスク、あるいは SCSI ハードディスクに見えるものです。ハードディスクに見えるもの<ref>たとえば USB メモリは USB マスストレージクラスですが、デバイス用の SCSI エミュレーションによってSCSIデバイスのように見えます。</ref>です。
Linuxのカーネルが認識した順番に /dev/sda から /dev/sdb 、 /dev/sdc となります。
/dev/sda はハードディスク全体で、 sda 上にパーティションが設定されていれば /dev/sda1 、 /dev/sda2 ...となります。
=== ioctl ===
ioctl(2)はスペシャルファイルをコントロールしているデバイスドライバに対して命令を送るためのシステムコールです。これでデバイスをコントロールすることになります。(執筆中)はスペシャルファイルをコントロールしているデバイスドライバに対して命令を送るためのシステムコールです。これでデバイスをコントロールすることになります。(執筆中)
== デバイス ==
=== キャラクタデバイス ===
キャラクタデバイスは、時系列でデータが発生する端末、オーディオ、モデムキャラクタデバイスは、時系列でデータが発生する端末、オーディオ、モデムあるいはテープ装置といったシーケンシャルにバイト単位でアクセスするような入出力を行うデバイスドライバです。あるいはテープ装置といったシーケンシャルにバイト単位でアクセスするような入出力を行うデバイスドライバです。基本的にデータはキャッシュしません。データはキャッシュしません。
 
<pre class="bash">
$ ls -l /dev/{random,tty,st0,midi0}
crw-rw---- 1 root audio 35, 0 Mar 15 2002 /dev/midi0
crw-rw---- 1 root tape 9, 0 Mar 15 2002 /dev/st0
crw-rw-rw- 1 root tty 5, 0 Nov 18 11:35 /dev/tty
</pre>
 
先頭のcがキャラクタデバイスを意味する
 
=== ブロックデバイス ===
ブロックデバイスは、ハードディスクのようなランダムアクセスができ、かつブロックデバイスは、ハードディスクのようなランダムアクセスができ、かつ入出力がブロック単位でアクセスを行うことができるハードウェアへのデバイスドライバです。入出力がブロック単位でアクセスを行うことができるハードウェアへのデバイスドライバです。データをキャッシュするので効率良く入出力ができます。データをキャッシュするので効率良く入出力ができます。
 
<pre class="bash">
$ ls -l /dev/hd?
brw-rw---- 1 root disk 3, 0 Mar 15 2002 /dev/hda
brw-rw---- 1 root disk 34, 0 Mar 15 2002 /dev/hdg
brw-rw---- 1 root disk 34, 64 Mar 15 2002 /dev/hdh
</pre>
 
先頭のbがブロックデバイスを意味する
効率が良いと書きましたが、正確には「効率良く入出力するための工夫をして
いる (だから効率が良い)」といった方がいいでしょう。
効率が良いと書きましたが、正確には「効率良く入出力するための工夫をしている (だから効率が良い)」といった方がいいでしょう。  1つのブロックのことをセクタと呼び、普通はサイズは512バイトです。CD-ROM のようなデバイスでは最近は2KBですが、いずれにしてもセクターは2のN乗倍(512は2 の9乗、2Kは2の11乗)の値を取ります。最大値は記憶管理のページのの値を取ります。サイズ以下です。32ビットアーキテクチャーなら4KB、64ビットアーキテクチャー最大値は記憶管理のページのサイズ以下です。であれば8KBです。32ビットアーキテクチャーなら4KB、64ビットアーキテクチャーであれば8KBです<ref>これは典型的な例で、ページサイズはハードウェアのアーキテクチャーに依存します。</ref>。
ハードディスクなどのデバイスからブロックの内容が読み込まれたとき(ある
いは書き込まれる途中)、データはメモリ中のバッファの中に保管されていま
す。1つのバッファは1つのブロックに対応しています。普通はページサイズが
4KBでブロックサイズが512 バイトですから、一つのページは複数のバッファ
から出来ています。ブロックデバイスから幾つかのブロックでデータを読み込
んで来た時(あるいは書き込もうとした時)、メモリ中にバッファのチェーン
が作られます。このように、ブロックデバイスを読み書きする時には、ハード
ディスクのようなデバイスを直接読み書きするのではなく、まずこのバッファ
に対して読み書きが行われます。
ハードディスクなどのデバイスからブロックの内容が読み込まれたとき(あるいは書き込まれる途中)、
データはメモリ中のバッファの中に保管されています。1つのバッファは1つのブロックに対応しています。
普通はページサイズが4KBでブロックサイズが512 バイトですから、一つのページは複数のバッファから出来ています。
ブロックデバイスから幾つかのブロックでデータを読み込んで来た時(あるいは書き込もうとした時)、
メモリ中にバッファのチェーンが作られます。
このように、ブロックデバイスを読み書きする時には、ハードディスクのようなデバイスを直接読み書きするのではなく、
まずこのバッファに対して読み書きが行われます。
=== 擬似デバイス ===
擬似デバイス (Pseudo-devices)とはデバイスファイルのように見せかけているが、その先には具体的なハードウェアが結びつけられていないデバイスファイルです。たとえばとはデバイスファイルのように見せかけているが、その先には具体的なハードウェアが結びつけられていないデバイスファイルです。たとえば /dev/nullは、その先が何もないデバイスファイルです。null は、その先が何もないデバイスファイルです。
 
<pre class="bash">
% cat foo > /dev/null
</pre>
 
ファイルfooを読み込んで、デバイスファイルファイル foo を読み込んで、デバイスファイル /dev/nullに送り込みますが、送り先は何もないのでnull に送り込みますが、送り先は何もないので /dev/nullに吸い込まれるだけになります。null に吸い込まれるだけになります。/dev/nullを入力にした場合、何も送られないことになります。null を入力にした場合、何も送られないことになります。以下にいくつかのデバイスファイル例をあげます。
例:
* /dev/null 入力・出力とも何もしない
* /dev/random , /dev/urandom 乱数を返す
そこで有効な入出力をするためにスケジューラを用意します。スケジューラの役目は、全体のスループットの改善です。ですから、ある1つのプロセスだけを着目してみると、もしかすると、処理が遅くなっているという可能性もあります。
この当たりは単純に一つのI/Oスケジュリングのアルゴリズムが万能とはなかなかいかないので、Linux Oスケジューリングのアルゴリズムが万能とはなかなかいかないので、Linux 2.6.0以降では
Deadline I/O Scheduler、
<del>Anticipatory I/O Scheduler</del><ref>最新ディストリビューションの使っているLinuxカーネルの多くでは既に用意していません。</ref>、
Complete Fairness Queueing I/O Scheduler、Scheduler<ref> Inside the Linux 2.6 Completely Fair Scheduler https://www.ibm.com/developerworks/library/l-completely-fair-scheduler/index.html</ref>、
Noop I/O Scheduler といった複数
のスケジュールが用意されています。
== ネットワークデバイス ==
1981年当時4.1BSDを改造しTCP/IPのスタックを搭載したのがUNIXのTCP/IPの始まりです。IPの始まりです<ref>私の個人的経験でいわせてもらうと4.2BSDリリース時に入っていたTCP/IPはどう贔屓目に見ても、安定して利用するというには程遠く、プログラム中で引数をちょっと間違えるとシステム全体がいとも簡単にダウンしました。安定して使えたという実感は4IPはどう贔屓目に見ても、安定して利用するというには程遠く、プログラム中で引数をちょっと間違えるとシステム全体がいとも簡単にダウンしました。安定して使えたという実感は4.3BSDになってからです。</ref>当時のLANも多くの場合イーサーネット(Ethernet)で構築されていました。NIC (Network Interface Card) とか、あるいは LANポート と呼ぶネットワークインタフェースのためのデバイスがあり、そのデバイスファイルとして /dev/eth0 が作成されました。
当時、我々がLANと呼ぶものはイーサーネット(Ethernet)で構築されていました。NIC (Network Interface Card)とか、あるいはLANポートとか呼ぶものも、使っているのはイーサーネットでした。そのため/dev/eth0といった名前でネットワークのデバイスファイルが作成されました。むかしのLinuxもイーサーネットのデバイスは、もちろんUnix流に/dev/の下にあるデバイススペシャルファイルで、デバイスは/dev/eth0と見えていました。;補足: eth0は最初に認識しているイーサネットのネットワークインタフェースのデバイスで、複数のネットワークポートやNICが存在していた場合、 eth1、 eth2... となります。
;補足: eth0は最初に認識しているイーサネットのネットワークデバイスで、複数のネットワークポートやNICが存在していた場合、eth1、eth2むかしのLinuxもイーサーネットのデバイスは、もちろんUnix流に /dev/ の下にあるデバイススペシャルファイルで、デバイスは /dev/eth0 と見えていました。ところが今日のLinuxはネットワークデバイスに対してはスペシャルファイルとして用意していません。イーサーネットデバイスのはずである/dev/eth?というのはLinux 2...となります。2以降なくなりました。理由は単純に1つのイーサーネットのデバイスが、1つのIPアドレスを持つというわけではなくなったからです。現在はハードウェアに1つのイーサーネットのポートしかなくても、オペレーティングシステムとして、その1つのポートに複数のIPアドレスを割り当てることができます。
ところが今のLinuxはネットワークデバイスに対してはスペシャルファイルとして用意していません。イーサーネットデバイスのはずである/dev/eth?というのはLinux 2.2以降なくなりました。理由は単純に1つのイーサーネットデバイスが、1つのIPアドレスを持つというわけではなくなったからです。ハードウェアに1つのイーサーネットのポートしかなくても、オペレーティングシステム的にはその1つのポートに複数のIPアドレスを割り当てることができます。ネットワークインタフェースの設定にはifconfigを使いますが、通常はシステムの設定ファイルに指定のフォーマットで登録しておけば、システムのブート時に設定スクリプトが動き、自動的に割り当ててくれます。Debian系のディストリビューションだと/etc/network/interfacesに、RedHat interfaces に、RedHat 系だと/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0に記述します。eth0 に記述します。
ネットワークインタフェースの設定状況を見るネットワークインタフェースの設定状況を見るのには次のようにします。  <pre class="bash">
$ /sbin/ifconfig
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr 00:C0:26:28:12:C5
inet addr:127.0.0.1 Mask:255.0.0.0
....
loはループバック</pre>
;補足: loはループバックのための仮想デバイスです。127.0.0.1は特別なIPアドレスで、これは自分自身を指します。
ifconfigを使う以外にも/proc/net/dev/を見ることで現在のネットワークインタフェースを確認することができる。
ifconfigを使う以外にも/proc/net/dev/を見ることで現在のネットワークインタフェースのデバイスの状況を確認することができます。
 
 
<pre class="bash">
$ cat /proc/net/dev
Inter-| Receive ....
wlan0: 0 0 0 0 0 0 ...
eth0: 1087299 17929 0 0 0 0 ...
</pre>
== udev hald ==
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